コンバージョン率(CVR)の向上を目指す上で、エントリーフォームの最適化(EFO)は欠かせません。チャット型フォームは、従来のフォームに比べて心理的な障壁を下げ、お問い合わせ数を増やす効果がありますが、その効果を最大限に引き出すためには、継続的な改善が必要です。そこで重要になるのが、チャット型フォームに搭載されているA/Bテスト機能です。
A/Bテストを効果的に活用することで、短期間に多くの課題を発見し、ユーザーが真に満足する(問い合わせ効果の高い)シナリオを作り上げることができます。
1. A/Bテストで実現できる「聞き方を変える」改善
従来のメールフォームでは、離脱の多い箇所を見つけた場合、質問を無くしたり、入力補助をしたり、質問の順番を変えたりといった改善が主でした。しかし、チャット型フォームでは、これらの改善方法に加えて、フォーム離脱の根本を改善するための「聞き方を変える」という方法が可能になります。
-
聞き方をテストする重要性
実生活でも、相手の聞き方次第で「答える/答えない」が変わるように、フォームでも聞き方を変えることで離脱率を減らせる可能性があります。例えば、名前の入力部分で離脱が多かった場合、「お名前を頂戴してもよろしいでしょうか?」のように丁寧に聞いたり、「私は〇〇と申します。失礼ですがお名前を頂戴してもよろしいでしょうか?」と、まずこちらが名乗ったりするなど、複数の「聞き方」をテストします。
-
相乗効果の検証
チャット型フォームの強みとして、アイコンや担当者を設定できる点があります。担当者ごと(アイコンごと)のA/Bテストをするのも面白いかもしれません。
2. A/Bテストによるシナリオの継続的な最適化
チャット型フォームでは、あらかじめ会話の受け答えとなる「シナリオ」を作成しますが、このシナリオこそが成功のカギとなります。A/Bテストは、このシナリオの質を高め、コンバージョン率を継続的に改善するために不可欠な機能です。
-
複数のおもてなしシナリオを比較
広告やデザインでA/Bテストをするように、チャット型フォームにもA/Bテスト機能が搭載されています。複数のおもてなしシナリオを用意し、よりユーザーが満足している(問い合わせ効果の高い)シナリオを作ることが可能になります。
-
効率的な課題発見
聞き方を変えた2パターンのチャットフォームを同時期に同じ数だけ配信する機能を利用することで、簡単にA/Bテストを実施できます。これにより、短期間に複数の課題(離脱箇所)を見つけることが可能になり、効率よく改善を進めることができます。
-
柔軟な運用
チャット型フォームではシナリオを自由に設定することが可能であり、お問い合わせ獲得シナリオ、申し込み受付シナリオ、ウェブ接客シナリオなど、様々な場面で活用されています。A/Bテストを活用すれば、それぞれの目的に合わせた最適なシナリオを検証できます。
まとめ:A/Bテストで「生きた接客」を追求する
チャット型フォームのA/Bテストは、単にフォームの技術的な改善にとどまらず、ユーザーの心理に寄り添った「生きた接客」を模索するための機能です。シナリオ作りの基本は「シンプルに丁寧に」を心掛け、まずは普段のリアルの接客からシナリオを考えるとうまくいきますが、その後の効果を最大化するためには、A/Bテストを通じてシナリオを継続的に磨き上げていくことが、CVR向上への最短経路となります。