Webサイトのどこかに、お問い合わせフォームを設置しているとします。そのフォーム、ページのどの位置にあるか、最後に確認したのはいつですか?
多くの企業サイトでは、フォームはコンテンツの最後、つまりページを一番下までスクロールした人だけが辿り着ける場所に置かれています。「情報をしっかり読んでもらってから行動を促す」という意図はわかります。しかし実際のユーザーは、こちらが想定するような順番では動いてくれません。問い合わせ数が伸び悩んでいるとしたら、フォームの中身よりも「どこに置いているか」「いつ見せているか」に原因があるかもしれません。
「フォームはページの最後」という思い込みが機会損失を生む
Webサイトの構成で長年信じられてきた考え方があります。「まずコンテンツで価値を伝え、納得した人が最後にアクションを取る」というものです。この考え自体は間違いではありませんが、前提としているユーザー行動が実態とずれていることがあります。
さまざまなサイト分析ツールのデータが示すように、多くのユーザーはページを最後までスクロールしません。特にスマートフォンでは、ページの半分程度までしか到達しないケースも珍しくありません。つまり、ページ最下部に置いたフォームは、訪問者の相当数に「存在すら知られていない」可能性があるのです。
フォームへのアクセス数がそもそも少ない状況で、フォーム自体の改善を続けても効果は限定的です。CVR:Conversion Rate〈コンバージョン・レート〉の分母となるフォームへの流入をまず増やす視点が、改善の第一歩になります。
ユーザーの「興味のピーク」はページの途中に訪れる
問い合わせを検討するユーザーの心理を考えてみてください。サービス内容を読んでいる途中で「これ、うちの課題に使えそうだ」と感じた瞬間こそが、アクションを起こしやすい「興味のピーク」です。
このピークは、ページの最後ではなく途中に訪れることが多いものです。しかしその瞬間にCTA:Call To Action〈コール・トゥ・アクション〉がなければ、ユーザーは「最後まで読み終わったら問い合わせしよう」と先送りします。そして読み進めるうちに熱量が冷めてしまうか、別のことに気が向いてしまうか、結局フォームにたどり着かないまま離脱してしまいます。
ページの中間やファーストビュー(最初に画面に表示される領域)にも問い合わせへの入口を複数設けることが、興味のピークを逃さないための基本的な考え方です。「CTAを複数置くとうるさい」と感じる担当者も多いですが、同じゴールへ向けた案内を複数置くことは迷いではなく「機会の増加」です。
「問い合わせページに遷移させる」設計が生む見えない摩擦
もう一つ見落とされがちな問題があります。多くのサイトでは、お問い合わせフォームを独立したページに用意しています。ヘッダーのナビゲーションに「お問い合わせ」リンクがあり、クリックすると専用ページへ遷移し、そこにフォームがある、という構造です。
この設計自体が悪いわけではありませんが、「ページを読む」という行動と「別のページに移動してフォームに入力する」という行動の間には、小さな心理的ハードルがあります。スマートフォンで閲覧しているユーザーにとっては、ページ遷移そのものが体験の断絶に感じられることもあります。
サービスページや事例ページの中に直接フォームを埋め込む設計は、この摩擦を取り除く一つの方法です。「読みながら、気になったときにすぐ入力できる」という体験は、遷移型フォームにはない利点があります。
リンクしても心理的ハードルを上げないチャット型フォーム
従来の静的フォームは、ページのどこかに「フォームのブロック」として存在します。目立つ場所に置こうとするとページデザインを大きく変更する必要があり、担当者が躊躇するケースも少なくありません。また、テキストフィールドが一覧で並ぶ見た目は、「入力が大変そう」という印象をユーザーに与えてしまう側面もあります。
チャット型フォームは、全面に広がる対話形式のUX:User Experience〈ユーザー・エクスペリエンス〉を活かすことで、問い合わせページにリンクしても自然に溶け込む形で離脱を防ぎます。
まとめ:問い合わせが来ないのは、フォームが「遠すぎる」からかもしれない
フォームの入力項目や文言を改善しても問い合わせが増えないとしたら、そもそもフォームに辿り着いているユーザーが少ない可能性があります。ページ最下部という「たどり着けない場所」にフォームを置き続けることが、改善努力を無駄にしている落とし穴かもしれません。
ユーザーの興味のピークに合わせてフォームを見せる設計、ページの流れを断ち切らない自然な入力体験、これらを実現するための選択肢として、チャット型フォームは非常に有効なアプローチです。「フォームはページの最後」という思い込みを一度疑ってみることが、CVR改善の突破口になるはずです。
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